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こんにちは。アキです。
以前の記事でフリーランス新法の概要をご説明しました。
その中では、「下請法の規制と同様のルールが多い」というお話をしました。
フリーランス新法の施行に伴って、下請法の規制も強まる可能性がありますので、改めて下請法の概要をまとめておきたいと思います。
幸いなことに、多くの方が下請法の解説をしてくださっているので、このブログでは私自身の経験を中心にオリジナルな内容を盛り込んでみたいと思います。
※下請法のルールを網羅的に押さえるには、取締官庁の公正取引委員会のウェブサイトを見てみると良いと思います。以下のリンク先を覗いてみてくださいね。
下請代金支払遅延等防止法(下請法)の目的
世の中には売上・利益・従業員数などの規模が大きな企業もあれば、お一人で事業をやられている個人事業主まで様々なかたちの事業者がいます。大きな企業と、小さな企業・個人事業主では保有している情報・交渉力などで極端な差がありますので、その差が顕著な取引パターンである大きな企業が弱い企業に「サービスを委託する場合」に限定して、弱い側のために、①誰の目から見ても取引条件が明らかな形にする必要②大きな側が好き勝手な取引条件を設けないように一定の歯止めをかける必要があります。
そこで、以下の目的で下請法が作られました。
①下請取引の公正化
②下請事業者の利益保護
下請法の対象
概要
下請法が適用される下請取引は、
①事業者の資本金規模(資本金区分)
②取引の内容(取引区分)
の両面から定められている。この両方の条件に合致した下請取引に対して、下請法が適用される。
①資本金区分
パターン①
パターン②
②取引区分
下請法の規制の概要(自分の経験を踏まえて)
強い側(委託する側)が守らないといけないこと
上記の区分に該当する取引について以下のルールに従う必要があります。
下請法の目的は最初にご説明したように、弱い側を守るためのものですから、強い側(=委託側/業務をお願いする側)に次のことを守らないといけません。
- ①書面の交付義務(3条書面)
- ②支払期日を定める義務
- ③遅延利息の支払い義務
- ④書類の作成・保存義務(5条書面)
①書面の交付義務(3条書面)
親事業者は、発注に際し、必要記載事項をすべて記載している書面を直ちに下請事業者に交付しないといけません。
必要記載事項 | |
①親事業者及び下請事業者の名称 | ⑦下請代金の額(または算定方法) |
②製造、修理、情報成果物作成または役務提供委託をした日 | ⑧下請事業者の給付内容について検査をする場合、検査完了期日 |
③下請事業者の給付内容 | ⑨手形を交付する場合、手形の金額/手形の満期 |
④下請事業者の給付を受領する期日または役務が提供される期日/期間 | ⑩一括決済方法で支払う場合、金融機関名、貸付または支払可能額、親事業者が下請代金債権相当額または当該相当額を金融機関へ支払う期日 |
⑤下請事業者の給付を受領する場所 | ⑪電子記録債権で支払う場合、電子記録債権の額/電子記録債権の満期日 |
⑥下請代金の支払期日 | ⑫原材料などの有償支給をする場合、品名、数量、対価、引渡しの期日、決済期日/決済方法 |
②支払期日を定める義務
親事業者は、物品などを受領した日から起算して60日以内の出来る限り短い期間内で、下請代金の支払期日を定めないといけません。
③遅延利息の支払い義務
親事業者は、下請代金をその支払期日までに支払わなかったときは、下請事業者に対し、物品などを受領した日から起算して60日を経過した日から実際に支払をするまでの期間について、その日数に応じ当該未払い金額に年率14.6%を乗じた額の遅延利息を支払わないといけません。
④書類の作成・保存義務(5条書面)
親事業者は、下請事業者に対し委託をした場合、給付の内容などを記載した書類を作成し2年間保存しないといけません。具体的には、請負基本契約書・発注書面・補充書面・支払帳票・検査完了書面などの「実際に行われた取引の経緯を記載・記録する」書面などを指すとされています。
強い側(委託する側)がやってはいけないこと(禁止行為)
①受領拒否の禁止
②下請代金の支払遅延の禁止
弱い側(受託する側)は資金繰りがギリギリなところも多いため支払いを先延ばしにされると経営がままなりません。なので、このルールは公正取引委員会や中小企業庁といった取締官庁はこのルールを他のルールに比べて取締りをしているようです。以下のような事例は多くの企業で「ついやってしまう・・」かもしれませんので、特にご注意ください!!
③下請代金の減額の禁止
④返品の禁止
⑤買いたたきの禁止
⑥購入・利用強制の禁止
⑦報復措置の禁止
⑧有償支給原材料などの対価の早期決済の禁止
⑨割引困難な手形の交付の禁止
⑩不当な経済上の利益の提供要請の禁止
⑪不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止
公正取引委員会・中小企業庁の立入検査の経験
上記で下請法の概要をご説明しました。
企業で働いていると、下請法の取締官庁である公正取引委員会や中小企業庁から定期的にアンケートがきます)(来ない場合もあります)。アンケートの内容は、強い側は上記の内容を守っているかどうか?/弱い側は強い側にイジメられていないかどうか?を確認するものです。
そのアンケート(他には内部通報など)の内容を踏まえて、確認する必要がある企業には、公正取引委員会などから事業所に立入検査に来ることがあります。
私はこれまで2度経験しました。立入検査の1か月ほど前に連絡があり、立入検査の調整(日にち、時間、場所、事前の提出書類など)をします。
立入検査に先立っては、事前の提出書類や事前質問への回答など関連部門のみんなの工数をかなり要します。
立入検査当日は、下請法の対象取引(一定期間)の関連書類(発注書面、支払い帳票、検収書面などをきちんと提出する必要あり)を一斉に確認されます。
なので、「書類の作成・保存義務(5条書面)」という説明を上記でしたように、関連書類はきちんと保存しておかないといけないと強く認識しました。関連書類が保存していない場合、下請法違反と言われても十分な説明ができませんからね💦
自分が経験した2度の立入検査のうち1つの検査では、かなり是正指導がありました。
その指導内容は会社全体で下請法の正確な知識・認識の教育研修や、下請法を守る仕組みの構築・運用などが含まれていましたので、教訓としては日ごろから下請法をきちんと学び、順守すること(=下請法コンプライアンス)が本当に大切だと感じています。
下請法が適用される会社の皆さんも改めて自社の下請法コンプライアンスをチェックされてはいかがでしょうか?
引き続きよろしくお願いいたします。